セミドライフルーツ

厳選されたフルーツの数々、野菜シート”ベジート“と並ぶnozoe262の看板商品が、セミドライフルーツです。原材料は、純国産の安心・安全な果物のみ。砂糖も保存料も一切使用していません。

製造元の《株式会社しまばら創生》さんは以前から、島原産のいちじくやすいか等を加工しておられましたが、今回”有微研フルーツトマト”や”貴婦人の微笑み（苺）”をご紹介差し上げたことをきっかけに、それらを使ったコラボ商品が新しくラインナップに加わりました。

果物本来の香りや味わいを凝縮した商品づくりは、誰もが気になるところ。そのご苦労や面白みについて、お話を伺ってきました。

”もの”が違えば作り手の気も引き締まる。

私たちのセミドライフルーツは、その名の通りある程度水分を残した状態の商品で、「いかにもみかん」「いかにもメロン」という素材ごとの風味を大事にしています。今回のコラボ企画で野添商事さんには、これまで出会ってきた苺やトマトを大きく超えるものをご提供いただいたのですが、生産農家さんの思い入れが並大抵ではないものだけに、それを加工するこちらも身が引き締まりました。そのぶん、市場に出回っている一般的なドライフルーツとはひと味もふた味も違うものを商品化でき、大きな刺激になりました。“有微研トマト”や“貴婦人の微笑み”を使った商品は、どちらもたいへん好評です。苺なんて、袋を開けるたびに香りがするんですから、それだけでアピール力は抜群です。

株式会社しまばら創生　上山伊瑞美さん／平元洋社長

機械も万能ではない。だから人がいる。

ドライフルーツと聞くと、専用の機械を使って自動的に大量生産していると想像されるかもしれませんが、機械を素材にあわせて使いこなしてようやく、ほかにはない現在の商品構成に辿り着くことができています。乾燥に必要な温度や時間だけでなく、生産農家さんの取り組み方、畑や土の状態、それに収穫時期によっても出来は違います。たとえばいちじくは、夏の盛りに採れたものと秋雨の頃に収穫したものでは、もはや別物です。梨も幸水、豊水、新高と品種が異なれば、加工条件も変わります。ベストな状態を引き出すため28度、35度、50度あるいは70度と3台の機械で試すのですが、いきなり30度以上にすると果物特有の酵素が失われ、風味や栄養素も損なわれるため、加減が必要ですね。

試行錯誤から得たデータだけを頼りに。

いちごの場合は○度で△時間、すいかなら□度で×時間と、機械のメーカーが目安として提示しているデータはありますが、それを決して鵜呑みにするわけにはいきません。手引き通りのままでは、時間の浪費になることもあるんです。その素材に適しているのは何度で、そこに持っていくまでに何時間かければ良いのか、試してみないと分かりません。加工前に糖度が15度あっても、途中経過をおろそかにすると酸味ばかりが前面に出ることもあります。一気に高温に持っていけば甘みは強く残りますが、色合いが台無しになりかねません。無添加である以上は素材の本来の色も大事なんです。試作品ごとに好みは分かれますが、もっとも一般受けしそうなものを選び抜いて、独自に指標化しています。

製品づくりで問う”自分たちらしさ”。

「○度から△度に□時間かけて温度を上げれば、色味や栄養素を残しながら甘みも保てるんだな」と、素材ごとにいろんな条件で試してはじめて、1つの正解が導き出せます。経理をやる一方で化学者のような仕事に携わっている今が、自分でも意外で面白いですね。私たちがやっていることは、言ってみれば果物に限界まで減量させるようなもので、だからこそ持ち味が引き立った製品になるんだと思います。煮詰めたり砂糖を加えたりして食感や味を調整するのであれば、素材はなんでも構わないことになります。それでは生産農家さんにもお客様にも申し訳ないですし、私たちの存在意義がありません。余計なことをせずにその果物の良い部分を凝縮した成果が、このセミドライフルーツなんです。

あくまでも価値の高い商品づくりを。

セミドライ、つまり完全なドライでなく水分を多少残した状態であっても、10kg分の果物を仕入れたところでそれを商品として出荷できる量は、10分の1以下になります。価格もそれを織り込んだものになりますが、それに見合う品質だという自負はあります。シンガポールなど海外の商談会でも非常に良い反応をいただいているのは、光栄ですし自信にもなります。私たちの商品は、本来であればごく限られた期間しか味わえない旬のフルーツを長期間楽しむための、ひとつの工夫が形になったものです。果物が生まれ持つ抗酸化力が生きているので、保存料などももちろん使っていません。ご家庭で召し上がっていただくのはもちろん、ちょっとしたプレゼントとしても安心してお選びいただけます。